海にいきたい。
いますぐにでも。
おとなになるのはすごいことだ。
そんなことをかんたんに叶えてしまうから。
それを、江國香織のエッセイで読んだときにおもい描いていた。
海をみてあれを思いたい。
「なんてじぶんはひとりぼっちなんだ」
「なんてじぶんはちっぽけなんだ」
「なんてじぶんはこんなに特別で普通なんだろう」
もう18ではないし、そんなことは思わない。
思えない。
じゃあ、海をみてなにを思うんだろう。
それが知りたくなった。
ほんとうにひとりみたいだと思うときもあれば、
いつだってぼくは、ほとんどのひとに、
どこにでもある大衆だと気付かれている。
ビジネスではどっちらも重要だっていう。
ニッチに、そしてビッグデータこんにちはってね。
うまくはいえないけれど。
ぼくはさいきん、
「いおかゆうみ」のベストアルバムの制作をしていた。
彼女のうたがすきだ。
どこにでもある、そこにしかない音楽。
そんなありきたりなコピーをかきたくなるような、
居心地のいい、痛みのあるうたをうたってる。
今週末に発売のイベントがあるらしい。
そんな日に、すこしでも関われてうれしい。
CDを手にとるひとの顔はぼくには浮かびもしないけれど、
それは紛れもなく、
ふつうで、とくべつな、かけがえのないことなんだ。
今日もよんでくれてありがとうございます。
ひとも、ことばも、うたも。
そのひとの為だけの意味になれたから、
人間はあいかわらずなんだ。