おもいおもい。

このあいだの雨の日のはなし。
いろんなひとがいる。

夕方6時くらいに傘をさして帰った。
その日は朝はそれほど空がそうでもなかったふりをしていたので
家に戻ろうとする多くの人は下を向いて足早に歩いたり。
それはそれは残念そうに不服そうに
おでこのうえに太陽はみえないけど、
即席のサンバイザーをつくって目を細めていたりする。

傘を持っている人は強い風にあおられて、
裏返ってしまったのをひとりで笑ってごまかしている。
僕はといえば、傘の骨に巻きつくように
首を絡ませ雨風と格闘して、足をずぶ濡れにしていた。

おおきな交差点で信号待ちをしていると、
石碑が根元にあるおおきな木におじさんが雨宿りしている。
スーツのサラリーマンの様相のおじさんは、
肩幅より脚を広げて仁王立ちしていた。
おじさんは遠くを見つめていて一服をしたそうにしている。
おじさんはあたまにゴミ袋を被っている。
白い透明の。

いざとなれば
そのゴミ袋をすっぽり被ってしまってもいいのに、
あたまのうえに
ぐるぐる器用にシャンプーハットにしている。
それが彼の防衛本能なんだと。

こんな日があるから、雨もいいなあ、
濡れてもええなあ、とおもいます。


今日もよんでもらってありがとうございました。

なにからなにまでおぼえておきたい。
決めておけば少し丁寧に生きれたな。