なまえもしらない。
どんなまちですれ違ったろう。
台風のよる。
気付かないことばかりで、
ちいさくなったこんな夜にしか、
思わないこともある。
いま目の前にいる、あのひとが、
実はかつて、あんなところで繋がっていて、
同じ場所に立って、同じ匂いをかいで、
同じような気持ちで風をきっていた。
そんなあたりまえのことが、さいきん、
すごく特別でいて、ありがとうとおもう。
身動きのとれない台風のよる。
あの場所に行ったら、誰と出会えるのかな。
あの道を通ったら、誰とすれ違えるのかな。
それが積もり積もったいまの居場所。
嫌がって、嬉しがって、ありがたがって、
つながってる。
やっとここにいれるんだ。
今日もよんでくれてありがとうございます。
帰り道にはきをつけて。
傘を閉じて、足元を照らして。