うたをつくること。
うたをつくりはじめて10年が経つ。
むつかしくおもしろい、気まぐれなやつだ。
すきな言葉をならべていく。
iPhoneのなかに冷蔵保存。
自転車を走らせて鼻歌をうたう。
サビのようなものをくりかえして軽快にうたう。
帰ったらギターですきなコードをあててみる。
ほかのところはお風呂で考える。
iPhoneにあることばにあわせてみる。
ぼくのは、そうしてそのようにできている。
むかしむかし、つくりはじめたその頃は、
なんにもしらない高校生のパンキッシュなことばかり。
大学ノートにフォークソングを書きなぐっていた。
すきな女の子にだけ、かいていた。
いまではずいぶんのんびりとつくっている。
すきな言葉をならべるのは随分するっとなりました。
すきなことをならべるのもいいです。
すきなひともならびます。もちろん。
あとは、すきなおとをのせるだけ。かんたん。
「いいバンドだね」
「いい声ですね」
「ギターの音かっこいい」
「いいうたですね」
どれも嬉しい言葉なんですが
不思議とうたを言われるのが1ばん気になります。
友達に、ぼくもいいます。
もしかすると「いいうたですね」は
すきなひとに言う台詞かもしれない。
「いいうた」はたぶん温度のことですね。
未来、どれくらいの量の未来があるのかはわかりませんが
「いいうた」を求めてこれからも
うたったり聴いたり鳴らしたりしていきます。
どうかたくさんのひとにうたに出会えますよう。
今日もよんでくれてありがとうございます。
無人島でうたったらどれくらい寂しいだろう。
だれかが喜ぶのはいつも、なににもかわるものはない。