こぽこぽ。

すいこまれていく。
ふかい溝を切ってすいこまれていく。
まだ半分の自分で朝のコーヒーを淹れている。

コーヒーのドリップされていく渦をみていると
時系列は、ばらばらに学生の頃を思い出す。


修学旅行先の北海道でなぜかエアホッケーが流行った、
旅館のゲームセンターで派手にパックがなくなったこと。
ハイジ園、みたいなところで迷路で全力疾走、
3人で泥沼に滑ったこと。
ホテルで夕食を食べていたら突然ショーが始まって、
参加型のソーラン節を踊って何人かが血を流したこと。
ソーラン節でたっぷり汗だくのまま雪の降り積もる駐車場に繰り出して、
気づけば服を着ないで花火をしていたこと。
みんなで買ったアンパンマンファミリーお面。
25時には先生も寝ていた。
3日目のホテルでの得体のしれない部屋のにおい。
3日目のホテルでの狭すぎる部屋の間取り。
3日目の夕食のクオリティ。
オレンジが一番おいしかった。

そんなわけでコーヒーを淹れ終える。
思い出と夢がいい感じに溶けている。


今日もよんでもらってありがとうございます。

夢をみてる自分も現実にいる限り、どこかしこが現実。
すこし怖くておもしろい、ひとつなぎの思い出になるのか。

おもいおもい。

このあいだの雨の日のはなし。
いろんなひとがいる。

夕方6時くらいに傘をさして帰った。
その日は朝はそれほど空がそうでもなかったふりをしていたので
家に戻ろうとする多くの人は下を向いて足早に歩いたり。
それはそれは残念そうに不服そうに
おでこのうえに太陽はみえないけど、
即席のサンバイザーをつくって目を細めていたりする。

傘を持っている人は強い風にあおられて、
裏返ってしまったのをひとりで笑ってごまかしている。
僕はといえば、傘の骨に巻きつくように
首を絡ませ雨風と格闘して、足をずぶ濡れにしていた。

おおきな交差点で信号待ちをしていると、
石碑が根元にあるおおきな木におじさんが雨宿りしている。
スーツのサラリーマンの様相のおじさんは、
肩幅より脚を広げて仁王立ちしていた。
おじさんは遠くを見つめていて一服をしたそうにしている。
おじさんはあたまにゴミ袋を被っている。
白い透明の。

いざとなれば
そのゴミ袋をすっぽり被ってしまってもいいのに、
あたまのうえに
ぐるぐる器用にシャンプーハットにしている。
それが彼の防衛本能なんだと。

こんな日があるから、雨もいいなあ、
濡れてもええなあ、とおもいます。


今日もよんでもらってありがとうございました。

なにからなにまでおぼえておきたい。
決めておけば少し丁寧に生きれたな。

うたをつくること。

うたをつくりはじめて10年が経つ。
むつかしくおもしろい、気まぐれなやつだ。

すきな言葉をならべていく。
iPhoneのなかに冷蔵保存。
自転車を走らせて鼻歌をうたう。
サビのようなものをくりかえして軽快にうたう。
帰ったらギターですきなコードをあててみる。
ほかのところはお風呂で考える。
iPhoneにあることばにあわせてみる。

ぼくのは、そうしてそのようにできている。

むかしむかし、つくりはじめたその頃は、
なんにもしらない高校生のパンキッシュなことばかり。
大学ノートにフォークソングを書きなぐっていた。
すきな女の子にだけ、かいていた。

いまではずいぶんのんびりとつくっている。
すきな言葉をならべるのは随分するっとなりました。
すきなことをならべるのもいいです。
すきなひともならびます。もちろん。
あとは、すきなおとをのせるだけ。かんたん。

「いいバンドだね」
「いい声ですね」
「ギターの音かっこいい」
「いいうたですね」
どれも嬉しい言葉なんですが
不思議とうたを言われるのが1ばん気になります。
友達に、ぼくもいいます。

もしかすると「いいうたですね」は
すきなひとに言う台詞かもしれない。
「いいうた」はたぶん温度のことですね。

未来、どれくらいの量の未来があるのかはわかりませんが
「いいうた」を求めてこれからも
うたったり聴いたり鳴らしたりしていきます。
どうかたくさんのひとにうたに出会えますよう。


今日もよんでくれてありがとうございます。

無人島でうたったらどれくらい寂しいだろう。
だれかが喜ぶのはいつも、なににもかわるものはない。

はじめます。

こんにちは。
さて、ブログをはじめます。はじめまして。

今日からこちらに引っ越してきました。
引っ越すまえのブログでは2011年から記事をかいているようで
読み返していると、なんとも「それ」なきもちになります。

ぼくはここ何年か、家を引っ越すことが多いので、
懐かしい「それ」を手にとって
ぼうっとすることに慣れているようなスルーを覚えたはずでした。
だけどそのぼうっとしたシーンをいくつもこえて
鮮烈なシーンの数々がそこにしかと記録されていました。
まあ、そうでもないのも多いけど。

震災があってすぐにはじめたブログでした。
理由はそれと、自分の記録をつけておきたいと思った。

あのときぼくはライブがあって、
リハーサルを終えて、コンビニでパンを買って揺れた。
楽屋で小さな携帯のワンセグの画面にかじりついて、
流されていく景色にあぜんとしていた。
そのときの出演者に仙台の人がいて、でも、
その人の顔も表情も思い出せない。

みんなが知っているように、ぼくにも月日はあまりにもはやい。
それから4回家を移した。
奈良から大阪へ出てきてずいぶんと慣れた。
よくみなと通りで海へ出ます。
自慢げに、「さっき」大阪市民として投票してきたところです。

ここで思っていることや、それにまつわる出来事など
今までよりちょっと大盛りにかいていきたい。
なんどかおなじようなことを言っているようなきもするけれど
今回も自分を信じてみたいと思います。

返信や質問やコメント、その他のどうでもいいことなど
こちらに寄せていただけると励みになります。
それと、誰かの1日のきっかけになれるように
こつこつとかいていこうとおもいます。


よんでくれてありがとうございました。

計画を立てたら旅は終わってしまう気がするから
なにもわからいのがすきなのか。